ろくろの基礎のき

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練り

荒練り

粘土全体の水分量と硬さを均一にするために行います。
水分量がまばらだと、硬い部分にひび割れが起きてうまく成形できなくなるからです。
特にろくろで水挽き(滑りを良くするために水を使って成形すること)の時、やわらかいところがちぎれたりします。

菊練り

粘土の中の空気を抜くために行います。
中に空気が残っていると、素焼きの時に割れてしまうからです。
どんなに小さな空気でも、熱で膨張しようとするため内側から割れてしまいます。
強めに押すと早く空気が抜けます。磁器土は強めに練ってしまうと空気が入ってしまうので、土によって練り方や力加減を変えて練ります。
基本的にまとめるときは、少しずつ右手の押す力を抜いていきます。
そうすると粘土の真ん中が太くなり、楕円形にまとまっていきます。

毎日やって練習して、できるようになるまで3年かかるそうです。石の上にも3年といいますが、まさにその通りですね。

ろくろ

初めに、縦長にした土の塊をしっかり叩いてろくろにくっつけます。
大体真ん中に来るようにしてください。
次に、滑りを良くするために、水をつけていきます。
この時、水をつけすぎないようにしてください。
初めての方はつけすぎてしまいがちですが、土が弱くなってしまいます。あくまでも水は、手の滑りを良くするためにつけているという感覚です。

土殺し

粘土の塊を、上げ下げする作業のこと。
・土をろくろの中心に据える
・練り癖をとる
・水で濡らして、手が滑るようにする
この3つを目的として、ろくろ上で粘土が素直に動くようにします。

土殺しは3回くらいで仕上げられると良いそうです。

この時に、滑らかで綺麗なドベ(水と混ざってやわらかく滑らかになった土)を作ります。
水桶を近くに置いておいて、滑らかになったドベを少し置いておくと、後で少し足したい時に便利です。

上げ

粘土の塊の芯に力が伝わるように、両手の腹で挟んで上げます。
中心が揃っていないとうつわは作れないので、ろくろの中心と土の塊の芯が揃うようにしましょう。
初めての方は表面だけを撫でてしまうことが多いです。
そうすると、天面の真ん中が凹んでいきます。
凹んだところを閉じると空気が入り、うつわが割れる原因になってしまいます。
お腹にしっかり力を入れて、塊の芯に力を加えてください。
最後に上げた時、右手の腹が天面に被るように動かします。
そうすると天面が凹みにくくなります。

下げ

自分の反対側に土を倒していきます。右手の腹を上から覆い被せるようにし、左手は添えて支えます。

成形

作りたいうつわの大きさに合わせて玉取り(必要な量の塊を作る)をします。
陶芸は左手が大事です。
左手の親指で最初の形作りをしていきます。親指にぎゅーっと力を入れすぎると、うつわが歪んだ形になってしまいます。
周りが自然と上がっていくような感じで、左手の親指と右手の腹で形を作りましょう。
手についたドベは内側に塗ってあげてください。うつわの表面が滑らかに仕上がります。
お椀を持つ時のように、両手の親指と他の4本で土を挟み、親指を外側にスライドしていきます。
そうするとプレスされて上に粘土が伸びていきます。
上に伸ばすというより、下に伸ばすようなイメージです。
陶器は指のひっかけて伸びますが、磁器は力を入れてプレスしないと伸びないので、土によって力加減を変えて成形します。
底部分のすぐ上あたりがちぎれそうになるので、注意してください。

引く

右手を中、左手を外。
それぞれの人差し指・中指で挟んだ状態で、下から上にゆっくり上げていきます。
上に行くほど力を抜いていきましょう。
力を入れたままだと縁が切れてしまうので、縁でしっかり止めてじわじわ離します。
縁で少し止まることで、縁が安定します。
下に粘土が溜まりやすいので、下はしっかり力を入れて徐々に力を抜いて、縁で少し止まってじわじわと離してください。
パパッと作ろうとしないで、一点一点丁寧にゆっくり作ることを心がけましょう。
上手な人が引くと外側から見るより、内側が広く見えるそうですよ。

高台を絞る

切る位置を決めます。
左手をチョキにして、人差し指をぎゅっと絞るようなイメージです。

縁を整える

縁を切る

弓を持って縁に当てて切り、高さを揃えます。

なめす

なめし革を被せて挟み、好みの形に整えます。

切り離す

しっぴき(ろくろからうつわを切り離す道具)を両手でしっかり持ち、切る位置に持って来ると、左手が吸い込まれるような感覚があります。
左手を離すと一周するので、右手は離さないで引きます。

最後に

大まかな流れを、なるべく細かく説明しましたが、百聞は一見にしかず!

Youtubeで見たり、作家さん・窯元さんのところへ見学に行っても良いかもしれません。

何はともあれ、こういった手仕事は手の感覚がとても大切だと思うので、土に触れて戯れるのが一番の近道!

ぜひ一度、ろくろ体験に行ってみてはいかがでしょうか。

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