有田焼(伊万里焼)

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有田焼(伊万里焼)とは?

焼き物は「陶磁器」と呼ばれ、陶器と磁気の2つの種類にわかれます。
土ものの陶器と石ものの磁器。
有田焼と伊万里焼はというと「磁器」になります。
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に連れ帰った朝鮮陶工 李参平により、磁器原料の陶石を発見したのが有田焼の始まりとされています。そしてこれが、日本の磁器の始まりです。
有田焼・伊万里焼は現在の佐賀県有田町周辺で作られており、キメが細かく滑らかな手触り、透明感のある白磁に染付け呉須の藍と鮮やかな赤の配色のものが多く見られます。

有田焼・伊万里焼の違い

有田焼と伊万里焼が混同する主な理由は、有田・伊万里を含む地域における磁器の流通過程に原因があります。
有田町は山の盆地にあるため、多くの和食器を運ぶために、有田焼をはじめ他の内陸の磁器とともに伊万里港から出荷していました。
そのため、輸出先では出荷地の名前が用いられ、伊万里焼と混同して売られていたそうです。
現在では、有田町で作られたものを有田焼、伊万里市で作られたものを伊万里焼と呼んでいます。

有田焼(伊万里焼)3つの様式

古伊万里様式

染付け・色絵・金彩で飾る豪華絢爛な絵付けが多く見られ、特に江戸時代に作られたものを「古伊万里」と呼んでいます。
骨董的価値が高く、ヨーロッパ貴族からは「白い金」と評され、現在でもオールドイマリ(Old Imari)として世界中に熱烈なコレクターが存在します。

柿右衞門様式

赤絵磁器の創始者、初代酒井田柿右衛門から始まり現代まで続く酒井田柿右衛門家の作品様式を柿右衛門様式と呼びます。
あたたかみのある乳白色で、米のとぎ汁のような白さであることから「濁手(にごしで)」と呼ばれている素地に、華麗な赤絵を施しています。
日本独特の美意識とも言える「余白の美」を大切にしており、素地が輝いて見えるような空間の使い方が大変見事です。

鍋島様式

青みがかった白い肌に、赤・黄・緑の3色と染付の青でさまざまなデザインが施されています。
線の一本一本が非常に繊細で、とても4色で構成されているとは思えないほど、艶やかなものばかりです。

おすすめの有田(伊万里)窯元

皓洋窯

有田焼の伝統を受け継ぎ、新しいものに挑戦し続ける皓洋窯。
うつわやデザインによって使う筆や呉須を変え、職人がひとつひとつ手描きをしています。
和食器でありながら西洋の雰囲気もあり、シンプルな中にヌケ感のあるうつわなので、現代の食卓にぴったりです。

徳七窯

徳七窯は伊万里の大川内山にて創業され、鍋島焼の流れを組む歴史ある窯元。
愛らしくアイコニックな色絵と昔ながらのフォルムは、どことなく安心感があり、大人から子供まで幅広く楽しんでいただけるデザイン。華やかだけど価格の面でも優れており、揃えで使えるところも嬉しいポイント。

喜鶴製陶

陶芸家であり食器デザイナー山口祥治さんと、陶磁器のクリエイティブディレクター諸隈洋介さんの二人で創業。

「使い心地」と「凛とした佇まい」を大切にし、毎日に寄り添う確かなものを作られています。

最後に

日本の磁器の始まりから、和食器の世界を牽引し続ける有田焼(伊万里焼)。日本でも世界でも身分の高い人々に価値を見出され、そして現代では国内外のクリエイターとのコラボレーションによる新たなデザインを生み出し続けています。

確かな歴史と技術があってこそ、多様性が求められる現代の美的感性にもグッとくるのでしょう。

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