成形された生地に文様や絵を描く絵付けは、釉薬の下に描くものを下絵付け、そして上に描くものを上絵付けと大別します。
下絵付けは、成形した生地を乾燥させ、一度素焼きしたものに直接絵付けをします。
これらは、コバルト、鉄、銅などの顔料で描かれ、上から透明釉を掛けて、1200度以上の高温で本焼きします。
呉須と呼ばれる酸化コバルトで絵付けをした染付は藍色に、志野や絵唐津、織部などに見られる鉄絵で描かれたものは茶褐色ゆうりこうから黒褐色に発色します。
また、酸化銅で絵付けをして紅色に発色する釉裏紅があります。
筆描きで下絵付けするのが一般的ですが、印判押しや、吹墨と呼ばれる手法もあります。
一方上絵付けは、赤絵、色絵、五彩などで、本焼きした器の釉薬の上に筆で絵模様をつけます。
使う絵具の色数が豊富で、絵具は鉄や銅、コバルト、マンガンなどの金属に鉛やソーダなどを加えて科学的に調合したものを使います。
絵具の色がとんでなくなってしまわないように、800度前後の低火度で焼成します。
下絵付けと上絵付けを併用する場合があります。伊万里の装飾の技法や色鍋島がこの手法の代表です。