絵描き 長谷川冬香さん

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2022年10月15日(土)より、altoyo横浜元町店にて長谷川冬香さんの展示を開催します。
もともとは油絵を描かれていた長谷川さん。ここ最近は主に水彩や色鉛筆を用い、優しい眼差しと独自の切り取り方で、生活の中に息づく植物や静物を描いていらっしゃいます。
そんな長谷川さんに、日々の暮らしのなかで絵を描き続けることや、今回の展示への想いなどを伺いました。

目次

プロフィール

神奈川県生まれ
2004年 武蔵野美術大学油絵学科 卒業
2006年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース 修了

油彩、水彩で絵を描いています。
身の回りにあるもの、紙、植物、石の佇まい、その空気感をとらえようとしています。

Q&A

大学の頃〜卒業後もずっと油絵を描かれていたということですが、最近の作品で水彩や色鉛筆などを選んでいる理由を教えてください。また、油絵と水彩の違いはどういった点に感じていますか?

油絵は油で溶き、何回も絵の具を重ねて重厚感のある広い画面作りができるのに対し、水彩は水で溶き、乾くのも早く細かい描写ができる画材です。対象物により近づいて描けるところが気に入っています。

描かれているモチーフが日常に寄り添ったものが多いように思います。モチーフ選びや描きたいものはどのように決めていますか?

生活の傍らにあるもの、造形的に魅力的なものを組み合わせています。日常にこそ、宇宙が広がっているとの思いで目を凝らしてモチーフ選びをしています。

今はお子さんを育てながら絵を描くことを再開された時期ですよね。子育てをしながら作品をつくることで、ご自身にとって何か変化はありますか?

子ども中心の生活は、時間に追われたり思い通りにならないことが多いですが、外遊びの中で虫を見つけたり、草花を見つめることは今まで知っていた世界を再発見することです。子どもの目を通して、自然や物の在り方を再認識して刺激を受けています。

お母様も画家として絵を描かれていると伺いました。お母様の姿を見て育ったことでの影響や、長谷川さんにとって当たり前だった小さな頃の光景などはありますか?

家は画材が多くあり、工作や絵を描くことに恵まれた環境でした。画集や絵本に触れる機会も多く、美術に親しむ姿勢が今の基盤をつくってくれたように思います。また、大人になると制作を続ける難しさもわかるようになったので、改めて想うところも多くあります。

長谷川さんにとって、絵を描く(ものをつくる)とはどういうことですか?

直接的ではないですが、社会性を得ること、文化に貢献する行為だと考えています。それだけに独りよがりにならないように知恵を絞りたいと思っています。

今回展示される作品の、気に入っている点や見どころを教えてください。

お店の雰囲気や広さに合わせて、絵のサイズを選んでいます。モチーフも食器に通ずる野菜や、つい拾いたくなる石やシーグラス、インテリアとしても魅力な多肉植物、ドライフラワーを中心に構成しています。他の作家の方の器との、ここだからできる空間になれば嬉しいです。

altoyoでの展示を見に来てくださる方へ、メッセージをお願いします。

食器も絵も生活に寄り添った、日常が豊かになることを願うものだと思います。好きなものに囲まれた生活は彩りをくれますので、自分の感性で物を選ぶ楽しさを体感していただきたいです。

最後に

回答をひとつひとつ読みながら、普段の長谷川さんの雰囲気や言葉の選び方からも感じていた真っ直ぐさと誠実さに改めて触れ、同じくものをつくる身として少し襟を正される思いがしました。
そしてその人柄が、モチーフの形の取り方や筆致にも確実に表れているように思います。

今回の展示タイトル「植物採集」は、「野菜や実、葉、石を採集している感覚なんだよね」ということで名付けられました。日々の小さなかけらを集め描くことは、まだ見ぬ遠い世界への架け橋を少しずつ築くような行為なのかもしれません。

秋の気配を纏った店内のうつわと共に、額縁のなかでキラキラと輝く長谷川さんの世界をゆっくりとご堪能ください。

また、お話にも少し登場しましたお母様も、10月19日(水)から山手にある岩崎博物館で絵の展示をされます。
altoyoからも徒歩10分ほどで行けるので、お散歩がてら是非お母様の展示へも足を運んでいただければと思います。

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