唐津作家 梶原妙子さん

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以前、altoyo横浜元町店に佐賀市からはるばるお越しくださった梶原妙子さん。
モノトーンのクールな作風からは想像もつかないほど、話の引き出しが豊富でとっても楽しい方なんですよ!
一緒にいる時間も居心地が良く、もっとお話聞きたいなーと思ってしまいました。

今回はそんな梶原さんに、陶芸を志したきっかけやこだわりなどインタビューさせていただきました。

目次

プロフィール

1967年 京都市に生まれる
1986〜1990年 京都市立芸術大学にて鈴木治氏・秋山陽氏にオブジェを習う
1992〜1994年 市川廣三氏の元で見習い
1995年 佐賀県唐津市にて独立
1995年 現代茶陶展 入選
2001年 九州山口陶磁器展 第2位
2019年〜 佐賀市にて作陶

Q&A

小さい時から絵を描いたり、ものを作ったりすることは好きでしたか?

小学校の時の図工が好きでした。何か作ることは好きですね。
絵の方はさして上手じゃないの。笑
フェルトで作ってみたり、飛び出す絵本作ってみたりしてましたね!

ものづくりの中でも陶芸のどこに魅力を感じましたか?

元々テレビでみたりして面白そうと思ってはいました。
普通科の高校だったんですけど、工芸っていう選択科目があって、ろくろや窯がありました。
家でなかなか焼き物なんてできないし、他にも染色とかもできるのでその授業を取ることに。
その後工芸部に入部。少ない人数で自由なところだったので、好きな時に来て黙々とやっていました。
それで、「なんか楽しいなー」「陶芸家なりたいなー」っていうのが始まりでした。

陶芸の道に進もうと決めたのはいつ頃でしたか?そのきっかけも教えてください。

ずっと理系の大学に行きたいと思っていました。建築とかね。
でも高2の秋ぐらいに、やっぱり陶芸が好きなので京都芸大の工芸科の方に行こうと思いました。
親からは家から通えて国公立に行ってねと言われてたのもあって。笑
そこから本格的に陶芸の方に進むことになりました。

独立される時不安や葛藤はありましたか?

やって食べられなかったら何か考えなきゃ!って思ってました。
多分みんなそうなんだけど、食べていけなかったらバイトしながらって。
とりあえず独立してみよう!って感じかな?
若かったからねー、なんとかなるでしょー!っていう感じ。笑

梶原さんのうつわは本当にかっこいいなと思うのですが、アイディアはどこから生まれてくるのでしょうか?

作り続けるっていうのがありますよ。
人からこういうの作れますか?とか色々お願いされて作ってみた時に、こんな風にしたらどうだろう?と思って作ってみる。
それで作ってみた中で淘汰されていく。
良いかな?って思ったらさほどでもなかったり、あれ?意外といい感じじゃんとかね。
やっぱりね「どんどん作ること」わたしはね?
こんなの面白くない?っていうのを形にしていく。
作れるようになったものではなくて、作れるか作れないかわかんないものを作っていくことは楽しいですよね。

ろくろを使わず、板作りと手練りのみで作るこだわりや理由を教えてください。

ちょっとやり始めると板作りって面白いんですよ。途中で色を変えたり、2色の土を途中でつなげて巻きつけたり。ろくろだとできない表現もできます。

ろくろも手を動かすことですけど、板作りは紙工作的な感じがしますよね!
そういうところがわたしが板作り好きな理由かもしれないですね。
小さいときから工作大好きで!笑
徐にでっかい紙作品作ってみたり、大きなぬいぐるみの発泡スチロール像を作ったり。
そういう面でも板作りは合っているのかもしれない。

今まで教えていただいたことで特に大切にしていること、今でも印象深いことを教えてください。

京都芸大の時に鈴木治先生と秋山陽先生にオブジェを習いました。でもオブジェじゃ食べられそうもない。
それで市川廣三先生のところに。
市川先生は日展の作家さんで、白磁や青磁を使った独自の方法ですごく綺麗な作品を作られています。
技術だけでなく、陶芸家としての暮らしも学ばせていただきました。

大学での一番最初の授業の担当は鈴木先生。オブジェ界の巨匠、憧れの鈴木先生。
「君たちは、同じものを上手にたくさん作れるようになるためにここにいるんじゃない。新しい美しさを見つけて表現していくために、君たちはここにいる」という話をされました。
自分で見つける新しい美しさや楽しさみたいなものを、みんなに広めていくことが芸術なんだよっていうお話をされて、わたしもなんか新しいことをしたいなと。
一昨年市川先生の弟子の一門展があって、そこで鈴木先生の娘さんとお会いする機会があったんですね。
そこで、鈴木先生にそんなお話を最初の授業で教わったんですと話したら、すごく喜んでくださって。
いつも父は「生徒にそういう話をしているけど、どれくらい伝わっているんだろう?」と言っておりました、とお話しくださいました。

市川先生もまた「人真似をしない!」と語っておられました。
練習として真似をして勉強して腕を磨くことは、とても大切なことだと思いますが、それだけでは・・・と。

そこは個人の価値観なので、なんとも言えないですけどね。笑
わたしの場合は美しいものと言えるほど大したものじゃないので、ちょっと面白いかな?って思ったもの、これちょっと面白いと思いませんか?っていう感じ。笑
なんかちょっとおもしろーい!って思ってもらえたら嬉しいですね。
もう一つ大切なのは、食器なのでちゃんと普通に使えるっていうこと。見るだけじゃないのでね。
あとはね、一緒に暮らしたいもの。
ちょっと足りない感、ラフな感じ、完璧すぎない感じっていうか。笑
この前同じの買ったのになんかちょっと違いませんか?とか。
そういう感じです。
こいつと一緒にいたいなーっていう感じで買ってくださると嬉しいなー。
っていうのを目指してます。笑
ちょっと面白いやつだなーって使ってもらえたらいいですねー。

最後に

梶原さんのお話いかがでしたか?
物事の決め方、自分にとってのうつわの在り方、うつわ作りへの姿勢・・・
どれも自分の気持ちに正直で一貫していらっしゃるところが、わたしは素敵だなと思いました。
竹を割ったようなという形容が似合う、すごく気持ちの良い方。
本当にカッコいいです。
そのカッコよさと、陶芸を楽しく面白く取り組まれている姿が、うつわに現れているような気がしました。
うつわを「一緒に暮らしたいもの」として、ちょっと足りない感を良い塩梅で作れるところは、個人的にすごく憧れます。(わたしは完璧主義なところがあるので・・・)
今回じっくりたっぷりお話させていただいて、梶原さんのことも作られているうつわのことも、ますます大好きになりました!

現在altoyo横浜元町店にて、梶原さんのうつわを並べております。
実際に見て手に取ってみるのが一番だと思うので、ぜひ梶原さんのカッコいいうつわ見にいらしてください。

オンラインストアでも梶原さんのうつわをご覧いただけるようになりました!

梶原妙子さんの公式HPはこちら!

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